これは、LONDON cat.と、Cocoちゃんのスピンオフのお話です🧁

"お嬢様方、ショートケーキには、ミルクティーでいかがですか？"


英国王室御用達の仕立て屋は、まだ小さかったアンナ姫さまが初めてCocoちゃんのお誕生会にお呼ばれした時に、白い可愛いエプロンのついたドレスを仕立てました。


フリルをふりふり振り撒きながらお誕生会に出かけた姫さまは、涙を浮かべて帰宅しました。

ドレスのエプロンの裾は泥だらけ…

実はCocoちゃんのお誕生会の最後には、毎年恒例、森の中での大かくれんぼ大会が開かれるのです。

姫さまはドレスを汚したことがよほど悲しかったのでしょう、それ以来毎年Cocoちゃんのお誕生会のドレスは濃い色でご注文されていました。

それが今年はミルクティー色のドレスをご所望とのこと！
仕立て屋は考えました。


姫さまももう物分かりの良いお歳になられた、でも大きくなってもお気に入りのドレスを汚した時の悲しみは変わらない。

そこで仕立て屋は、スカートの裾を少しだけ紅茶で染めました。


姫さま、これで泥が跳ねても紅茶がこぼれてもお気になさらず、めいっぱいお誕生会を楽しんでいらしてくださいね。

ショートケーキをいただく時は、ミルクティーを。 

甘く優しく、仕立て屋さんの優しい気持ちが溢れるドレスが出来ました。