2025/09/01 09:59
本ブログはガチョウのMs.ドイリー・メープルおばあさんがここへ迷いこんできたあなたに向けて語っています。
没入してお楽しみいただけることを願っています。
ミュージックキャット サックス シャム猫のアンディ
今日はね、ルイボスティーにしてみたの。温かくて、ホッとする香りがするでしょう?
このお茶に合うのはね、やっぱり、ゆったりとしたクラシック音楽かしら。
今かけているのは、クロード・ドビュッシーの「サクソフォンと管弦楽のためのラプソディ」という曲。
サックスの音色が、なんだか物思いにふけるように、優しく響くわね。
この曲を聴いているとね、いつも思い出すお話があるのよ。
昔々、猫の王室にいたシャム猫のアンディくんの話。
彼は、あまり言葉で気持ちを伝えるのが得意じゃなくてね。
口下手で、自分の感情をいつも音楽に乗せて伝える子だったの。
猫の王室には、戴冠式だとか、大切な行事のために音楽を作曲する特別な役職があってね。
王室に捧げる音楽だから、それはもう格調高くて、品のある作品ばかりが揃っているのよ。
そんな中に、サックスを吹くのが得意なシャム猫のアンディがいたの。
言葉じゃなくても、心が通じ合えればいい。そういう優しい空気が、猫の王国には流れていてね。
ある夕暮れのことだったわ。ルル王女が、庭の隅っこで一人ぼっちで泣いていたの。
誰にも見られないように、そっと肩を震わせてね。その姿を、たまたま通りかかったアンディが見つけてしまったの。
アンディは、言葉をかけることができなくて、どうしたらいいか分からなかった。
でも、ふと閃いたのよ。そっと隠れて、サックスを取り出して、優しい音色を奏で始めたの。
悲しい気持ちにそっと寄り添うような、心温まる音楽。
どこからともなく聞こえてくるその音色に、ルル王女は涙が止まり、心がじんわりと癒されていったのよ。
アンディの優しい気持ち、お前さんにも聞こえたかしら?